クリニックのLLMOは、AIチャットの答えに自院を正しく載せるための整備です。ただし、公式サイトを整えるだけでは足りません。当社は2026年10月、4つのAIにクリニックの質問を100問聞きました。答えの出典2,362件を種類ごとに数えると、地域で探す質問では出典の56.7%が予約・比較ポータルでした。
一方で、費用・選び方・症状・受診のしかたを調べる質問の結果は逆でした。調べる質問では、回答の77.4%が医院・クリニックの公式サイトを1つ以上出典にしていました。クリニックのLLMOは、質問の種類ごとに直す場所を分けるところから始まります。
※ 2026年11月時点の情報です。調査の数字は2026年10月時点のものです。
この記事でわかること
- クリニックのLLMOの意味と、AIOとの違い
- 探す質問と調べる質問で、AIが読むページが入れ替わること
- 検索順位が低いページがAIの根拠に届きにくい理由
- 今週から始める4つの手順と、見送ってよい医院の条件
クリニックのLLMOとは?AIチャットの答えに自院が載るための整備
クリニックのLLMOとは、患者がAIチャットに受診先を聞いたとき、自院が正しい内容で答えに入るよう整えることです。狙う場所はGoogle検索の順位ではなく、ChatGPT・Perplexity・Gemini・Claudeの答えです。
Google検索の「AIによる概要」で選ばれることを狙う施策は、AIOと呼ばれます。2つの違いを表にまとめました。
| 比べる点 | クリニックのLLMO | クリニックのAIO |
|---|---|---|
| 狙う場所 | ChatGPT・PerplexityなどのAIチャット | Google検索のAIによる概要・AIモード |
| 患者の聞き方 | 「駅名で土曜も開いている内科を教えて」など会話の形 | 「駅名 内科 土曜」など検索語の形 |
| 確かめ方 | AIに直接聞き、答えの下の出典を見る | Search Consoleで表示と順位を見る |
| 主な出典 | 予約・比較ポータルと自院の公式サイト | Google検索で上位のページ |
施策の多くは重なります。Google検索側の進め方はAIO対策をクリニックで始める5ステップ、LLMO全般の考え方はChatGPTに引用されるLLMO対策7つの方法にまとめています。
患者がAIに聞くことは「探す」と「調べる」の2種類に分かれる
患者がAIに聞く質問は、受診先を探す質問と、症状や費用を調べる質問の2種類に分かれます。2種類で、AIが答えの根拠に使うサイトが入れ替わります。

当社の調査では、質問を5つの種類に分けて固定しました。地域で探す・費用・選び方・症状・受診のしかた、の5つです。探す質問の例は「大阪 内科 クリニック おすすめ」です。調べる質問の例は「発熱 何科」「健康診断 費用 相場」です。
| 質問の種類 | 質問の例 | AIの出典の中心 | 自院が直す場所 |
|---|---|---|---|
| 探す質問 | 地域名+診療科+おすすめ | 予約・比較ポータル | ポータルの掲載情報 |
| 調べる質問 | 症状・費用・選び方・受診のしかた | 医院・クリニックの公式サイト | 自院サイトの解説ページ |
調査の方法と質問ごとの結果は、クリニックの質問にAIは何を出典に答えるか(100問×4つのAIの調査)で公開しています。AIの答えは日によって変わるため、数字は調査をした2026年10月時点のものです。
地域名で探す質問の答えは予約・比較ポータルの情報で作られる
地域名でクリニックを探す質問では、AIの出典の過半数が予約・比較ポータルでした。出典の件数では、予約・比較ポータルが56.7%、医院・クリニックの公式サイトが35.6%です。
回答ごとに数えても、傾向は同じでした。探す質問で予約・比較ポータルを出典にした回答は75.0%でした。医院・クリニックの公式サイトを出典にした回答は51.2%です(当社調査・2026年10月)。
私たちはこの結果を、ポータルの掲載情報がAIの答えに名前が出る前提になると読んでいます。ポータルの診療時間が古いままなら、古い時間がAIの答えに混ざります。
だから探す質問への対策は、自院サイトの書き直しより先に、掲載先の点検です。次の3つをそろえてください。
- 予約・比較ポータルの診療科・診療時間・休診日
- 自院サイトの同じ項目
- Googleビジネスプロフィールの同じ項目
表記をそろえる作業は、院内のスタッフで進められます。移転や診療時間の変更が古いまま残っている掲載先を、ここで洗い出してください。
症状・費用・受診の質問には自院の解説ページで答える
症状・費用・選び方・受診のしかたを調べる質問では、AIは医院・クリニックの公式サイトを根拠に選んでいました。回答の77.4%が、医院・クリニックの公式サイトを1つ以上出典にしていました(当社調査・2026年10月)。
自院の解説ページは、調べる質問でAIに読まれる入口になります。「頭痛が続くときは何科か」「胃カメラの鎮静はどこで受けられるか」。こうした問いに答えるページが自院にあるかが分かれ目です。
解説ページは、1ページで1つの問いに答える形にします。症状ごとに、考えられる原因・受診の目安・自院でできる検査を書きます。費用のページには、保険診療と自由診療の区分を分けて書きます。
具体的な書き方は、クリニックの症状ページの作り方とクリニックのホームページの料金の載せ方で扱っています。
医療機関のウェブサイトは、医療広告のきまりの対象です。厚生労働省は医療広告規制のページで、ウェブサイト等の事例解説書(第6版・2026年3月30日)を公開しています。AIに拾わせたいからと、効果を言い切る書き方をするのはNGです。禁止される表現は医療広告ガイドラインとは?クリニックHPの禁止6表現で確かめてください。
自院がAIチャットにどう紹介されているか、無料で確かめませんか。
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クリニックのLLMOを進める前に、主要な検索語で自院のページが何位にあるかを確かめてください。検索で見つからないページは、AIの根拠にも選ばれにくいと当社は判断しています。
この判断の公的な裏づけは、Googleの説明にあります。AIチャットごとの検索の使い方までは、公式の説明で確かめていません。Googleは公式の説明で、AIによる概要やAIモードに出るための追加の要件は無いと述べています。Google検索セントラルの説明によると、条件は検索に登録され、スニペット付きで表示できるページであることです。
当サイトでも、「クリニック llmo」は平均43.0位で43回表示されました(自社サイトのSearch Console実測・直近28日・2026年11月時点)。1ページ目に届くまでは、クリックがほとんど発生しません。

| 順位帯 | クリック率 |
|---|---|
| 1〜3位 | 6.28% |
| 4〜10位 | 1.02% |
| 11〜20位 | 0.09% |
| 21〜30位 | 0.16% |
出典は、当社が2026年6月23日〜9月20日に自社3サイトで計測した表示7,015回の集計です。1〜3位のクリック率6.28%は、4〜10位の1.02%の約6.2倍でした。
試算:仮に、自院の主要な語が月1,000回表示され、順位が21〜30位だとします。クリック率0.16%なら、クリックは月約1.6回です。4〜10位の1.02%まで上がれば、月約10回になります。
自院の順位は、Search Consoleで調べられます。「検索パフォーマンス」を開き、期間を直近にして、主要な語で絞り込みます。「平均掲載順位」の列が、その語での自院の順位です。
自院の語を表に当てはめると、LLMOと検索順位のどちらを先に直すかが見えてきます。検索順位の上げ方はクリニックSEOとは?順位が上がる5つの施策で解説しています。
クリニックのLLMOを始める4つの手順
クリニックのLLMOは、AIに聞く・基本情報をそろえる・解説ページを書き足す・毎月聞き直す、の4つの手順で進めます。最初の2つは、院内のスタッフで1週間あれば進められる作業です。

手順1: AIに探す質問と調べる質問を聞く(初日)
ChatGPTとPerplexityに、探す質問を3つ、調べる質問を3つ聞きます。探す質問は「駅名+診療科+おすすめ」の形です。調べる質問は、自院でよく受ける症状や検査の名前を入れます。答えの下に並ぶ出典が、ポータルか自院かをメモしてください。
手順2: ポータルと自院サイトの基本情報をそろえる(1週目)
診療科・診療時間・休診日・住所を、すべての掲載先で同じ表記にします。手順1で出典に出たポータルから先に直すと、AIの答えに早く届きます。
手順3: 症状・費用・受診の解説ページを書き足す(2〜4週目)
手順1の調べる質問で、自院が出典に出なかった問いを選びます。その問いに答えるページを、1問につき1ページで書き足します。
手順4: 同じ質問で毎月聞き直す(毎月)
手順1と同じ6つの質問を、月に1回聞き直します。GA4で、chatgpt.com・perplexity.aiから来た訪問も確かめてください。
変化の目安は、LLMOではなくAIO運用の数字です。当社がAIO運用を2026年5月に始めた10件では、6件が1か月以内、8件が2か月以内に主要クエリの平均順位が開始時より上がりました。
10件は3か月以内にすべて上がっています(2026年5〜8月の集計)。ただし、わずかな上昇も含み、母数は10件です。順位が上がる目安として読み、AIでの紹介を約束する数字とは受け取らないでください。
LLMOでつまずくクリニックの共通点と避け方
LLMOでつまずく型は3つです。よくある質問を量だけ増やす型、公式サイトだけ直す型、1回で終える型です。解説ページが薄いなら失敗1、ポータルが古いなら失敗2、聞き直していないなら失敗3に当たります。
失敗1: よくある質問を量だけ増やす。当社は2026年2月(AIO対策の初期)、自社サイトに内容の薄い「よくある質問と回答」を約30問載せました。確かめた指標は、サイトの表示回数と、AI検索での紹介・表示です。載せた後も表示回数は横ばいで、AI検索での紹介・表示にも効果はありませんでした。
原因は、どこにでもある答えを並べたことです。質の低いQ&Aを量だけ増やしても評価されないと分かりました。避け方は、自院でしか答えられない問いに絞ることです。
失敗2: 公式サイトだけ直し、ポータルが古いまま。起きることは、探す質問の答えに古い診療時間が残ることです。原因は、探す質問の出典の56.7%がポータルだったように、AIがポータルを読むことです。避け方は、手順2で掲載先を全部そろえることです。
失敗3: AIの答えを1回見て終える。起きることは、診療時間を変えた後も、古い情報が答えに残ることです。原因は、AIの答えが日によって変わり、掲載先の更新も追いつかないことです。避け方は、情報を変えた月に手順1の質問を聞き直すことです。
うまくいった例もあります。私たちの運用では、サイトの土台を整え、権威性の表示(運営者情報・資格・各社の実績)を足しました。表や図を内容に合わせて整理したところ、ChatGPT・Gemini・GoogleのAI回答で紹介されるようになりました。AI検索で紹介されるようになるまでは約6か月でした(2026年10月まで)。
不動産会社の支援では、ホームページの土台(質の高いよくある質問・質の高い記事の投稿・権威性の表示)を整えました。3か月で問い合わせが2件から5件に増えています(2026年10月まで)。いずれも、効いたのは質を上げた更新で、量ではありません。
1回の聞き取りで「出た」「出ない」を決めないでください。同じ質問を、同じAIに、月1回聞いて記録すると、変化を比べられます。
AI検索への対応で抜けている箇所は、AI検索の対応度チェック(無料・30秒)で見られます。登録は要らず、結果はその場で出ます。
自院で進める・任せる・まだ始めない医院の条件
クリニックのLLMOを自院で進めるか、任せるか、まだ始めないかは、調べる質問の多さと検索順位で決まります。当社の判断の目安を、条件ごとに並べます。
自院で進めてよい医院は、近隣の患者が中心の一般内科などです。探す質問が中心なので、手順1と2を院内で進めてください。ポータルと基本情報をそろえるだけで、答えの食い違いの多くは直ります。
運用を任せたほうがよい医院は、症状・検査・自由診療の問い合わせを増やしたい医院です。調べる質問への解説ページを、毎月書き足す必要があります。院長が診療で手一杯なら、手順3と4を任せる判断になります。
切り替えの目安は、解説ページの本数と院内の工数です。例えば、1ページに担当者が10時間かかり、月に3ページ書くなら、月30時間です。診療の合間にその時間を確保できないなら、任せる側に切り替えてください。
費用の目安は、2026年10月時点の相場の見立てです。内製+有料ツールは月数万〜数十万円です。外部委託(キーワード設計から運用まで一括)は月20万円以上です。記事作成ツールは月4〜5万円前後ですが、全体のキーワード設計が無いことがあります。
当社は2026年11月に、2つのAI(ChatGPT・Gemini)へ本記事の論点5問を聞き、答え10件を数えました。10件の答えのうち、費用の金額(◯円)に触れたものは0件、専門家への相談に触れたものは2件でした(出典: 当社調べ)。
同じ調べでは、10件の答えの出典に挙がったページ23件のうち、公的機関・学会・業界団体は1件でした。ニュース・メディア・まとめは3件、動画・SNS・ブログは3件でした(出典: 当社調べ)。
主要な語で30位より下にいる場合は、LLMOより先に検索順位を上げてください。当社の実測では、21〜30位のクリック率は0.16%でした。その順位ではAIの根拠にも人のクリックにも届きにくいと、当社は判断しています。
まだ始めなくてよい医院もあります。予約枠が埋まっていて新患を増やす余地がない医院は、見送ってください。開業前で自院サイトがまだない場合も、先にサイトの基本情報を整えてから始めるほうが手戻りがありません。
| 医院の状況 | 選ぶこと | 先にやること |
|---|---|---|
| 近隣の患者が中心 | 自院で進める | 手順1と2(ポータルと基本情報の統一) |
| 症状・自由診療の相談を増やしたい | 運用を任せる | 手順3と4(解説ページと毎月の計測) |
| 主要な語で30位より下 | 検索順位を先に上げる | 主要な語のページの改善 |
| 予約枠が埋まっている・開業前 | 見送る | 自院サイトの基本情報を整える |
表は上から順に当てはめてください。予約枠が埋まっている・開業前の医院は、ほかの行より見送りを優先します。
次に、主要な語の平均掲載順位がSearch Consoleで30位より下なら、検索順位を先に上げてください。30位より下のページは、解説ページを書き足してもAIの根拠に届きにくいためです。30位以内なら、近隣中心の医院は自院で、自由診療の相談を増やしたい医院は任せる行に進みます。
まず、ChatGPTに「最寄り駅名+自院の診療科+おすすめ」と聞いてください。答えの下の出典がポータルか自院かを確かめるのが、今日できる一歩です。
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クリニックのLLMOは院内のスタッフだけでどこまでできますか?
AIへの聞き取りと、ポータルと自院サイトの基本情報の統一は院内でできます。解説ページの書き足しは手間がかかります。
LLMOの運用を任せると何をしてもらえますか?
AIの答えの定点観測、掲載情報の食い違いの洗い出し、症状・費用の解説ページの書き足しと毎月の計測です。
クリニックのLLMOはどのくらいで変化が見えますか?
2026年5月開始の当社AIO運用10件中8件で、2か月以内に主要クエリの平均順位が上がりました(わずかな上昇も含む)。
クリニックのLLMOが向かないのはどんな医院ですか?
主要な語で検索順位が30位より下の医院です。AIの根拠にも届きにくいため、先に検索順位を上げてください。
予約・比較ポータルに載っていればLLMOは要りませんか?
要ります。費用・症状などを調べる質問では、当社調査で回答の77.4%が医院・クリニックの公式サイトを出典にしていました。
AIチャットが自院を間違って紹介していたらどうしますか?
自院サイトとポータルの診療時間・診療科・住所をそろえ、古い掲載を直してから同じ質問で聞き直してください。
まとめ: クリニックのLLMOは質問の種類ごとに直す場所を分ける
クリニックのLLMOは、AIチャットの答えに自院を正しく載せるための整備です。探す質問ではポータルの掲載情報、調べる質問では自院の解説ページが、AIの根拠になります。
手順は、AIに聞く・基本情報をそろえる・解説ページを書き足す・毎月聞き直す、の4つです。主要な語で30位より下なら、検索順位の改善を先に進めてください。
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