クリニックの症状ページは、「咳が止まらない」のように患者が打つ言葉を題名にし、当院で診る範囲・救急へ行くべきサイン・続いた期間ごとの受診の目安・当院での検査・疾患ページと予約の5項目で作ります。歯科と違い、内科や皮膚科の患者は「そもそも何科に行けばいいか」から迷っています。症状ページの役目は、その迷いに線を引くことです。

この記事は、内科・皮膚科・整形外科などのクリニックで、ホームページに症状ごとのページを作りたい、または作ったページが検索に出ない院長・事務長・Web担当者向けです。

※ 2026年10月時点の情報です。自社の数字は、当社サイトのSearch Console実測(2026年6〜10月)によります。

この記事でわかること

  • 症状ページ・疾患ページ・診療科ページの役割分担
  • 症状ページに書く5項目と並べる順番
  • 「咳が続く」を例にした見出しと1文目の型
  • 救急と他の科への線引きの書き方
  • 失敗3つと、院内で作るか頼むかの目安

歯科医院の場合は歯科医院の症状ページの作り方で扱いました。本記事は、診療科をまたいで症状が重なる医科のクリニックに絞ります。

症状・疾患・診療科の3層でクリニックのページを分ける

クリニックの症状ページは、病名を知らない患者を症状の言葉で受け止め、当院へ来てよいかを決めてもらうページです。

クリニックの症状ページとは、「咳が続く」「じんましんが出た」など患者が自覚する症状ごとに、当院で診られる範囲、受診の目安、当院での検査を示すページです。

医科のクリニックでは、ページが3層に分かれます。歯科よりも1層多いのは、同じ症状でも原因の病気が診療科をまたぐためです。

比べる点 症状ページ 疾患ページ 診療科ページ
読者の状態 病名も科も分からない 病名の見当がついている 受診先を比べている
題名の言葉 咳が続く・胸やけがする 咳喘息・逆流性食道炎 呼吸器内科・消化器内科
中心になる内容 診る範囲と受診の目安 検査・治療・通院の流れ 医師・設備・診療時間
ページの出口 疾患ページと予約 予約 予約・アクセス

症状ページは、疾患ページの説明を繰り返す場所ではありません。病気の詳しい説明は疾患ページに任せ、症状ページは「どの病気の可能性があり、いつ来ればよいか」までにとどめます。

受診を決めるまでの問いに沿って書く5項目

症状ページには、症状名・診る範囲・救急のサイン・受診の目安・当院での検査と出口の5項目を、この順で書きます。

クリニックの症状ページに書く5項目の一覧
クリニックの症状ページに書く5項目

並べる順番は、患者が受診を決めるまでの問いの順です。「ここで合っている?」「今すぐ救急?」「いつ行けばいい?」「何をされる?」と進みます。

  1. 患者の言い方での症状名: 「慢性咳嗽」ではなく「咳が2週間以上止まらない」と書く
  2. 当院で診る範囲と他の科: 当院で診る原因と、他の科が向いている場合を分けて書く
  3. 救急へ行くべきサイン: 外来を待たずに救急や119番を考える状態を、ページの上のほうに置く
  4. 続いた期間ごとの受診の目安: 何日続いたら来てほしいかと、考えられる病気の候補
  5. 当院での検査と出口: 検査の名前と当日の流れ、疾患ページへのリンク、予約の導線

医科で差が出るのは2と3です。歯科なら「歯の症状は歯科へ」で済みます。医科では、腹痛ひとつでも内科・婦人科・外科のどれが向くかが分かれます。

当社が医療系の検索語を見ていて感じるのは、症状の語に「何科」を付けて調べる人が多いことです。2の項目は、その問いへの答えになります。

咳が続くときの見出しは続いた期間の区分で立てる

型は、5項目を質問形の見出しにし、各見出しの直後に、その1文だけで答えになる文を置く形です。

日本呼吸器学会の「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019」は、咳を続いた期間で分けています。3週間未満が急性、3〜8週間未満が遷延性、8週間以上が慢性です。下の表は、その区分を受診の目安に使った見出しの例です。

見出し 見出し直後の1文(書き出しの型)
咳が続くときは何科を受診すればよいですか? 当院の内科では、風邪の後の咳・咳喘息・逆流性食道炎による咳を診ています。
すぐに救急を考えたほうがよいのはどんなときですか? 息苦しくて横になれない、唇が紫色になる場合は、外来を待たずに救急を考えてください。
何週間続いたら受診したほうがよいですか? 3週間以上続く咳は、風邪以外の原因が考えられるため、受診をおすすめする目安です。
当院ではどんな検査をしますか? 問診と聴診のあと、必要に応じて胸のレントゲンや呼吸の検査を行います。
原因ごとの詳しい説明はどこで読めますか? 咳喘息・逆流性食道炎など、原因ごとの説明は各疾患ページにまとめています。

表の文は型の例です。診る原因・検査・救急の基準は医学的な判断を含むので、院長が自院の診療に合わせて書き直してください。

救急と他の科への線引きはどう書く?

救急のサインは箇条書きでページの上半分に置き、他の科が向く場合は「◯◯なら△△科」の形で書きます。

症状ページの読者には、今まさに具合の悪い人が含まれます。救急のサインを最後に置くと、読み終える前に判断が遅れます。

線引きの書き方は、次の3つに分けると読者が迷いません。

状態 書き方の例
外来を待たないほうがよい 「息苦しくて会話ができない場合は、ためらわず119番へ」
救急か迷う 「迷うときは、お住まいの地域の救急相談窓口(#7119など)へ」
他の科が向く 「発熱がなく鼻水だけが続くなら、耳鼻咽喉科が向いています」

救急相談の#7119は、救急車を呼ぶか病院へ行くかを迷ったときの電話相談です。総務省消防庁の救急安心センター事業(#7119)によると、医師・看護師・救急救命士が助言します。実施していない地域もあるため、「お住まいの地域の」と添えます。

他の科を案内するのは、集患を手放すことではありません。診る範囲がはっきりしたページのほうが、当院へ来るべき患者が安心して予約できます。

内科・皮膚科・整形外科で先に作る症状は?

受付の電話で多い症状から作り、季節で増える症状は流行の2か月前までに公開します。

作る順番は、診療科と医院の状況で分かれます。

医院の状況 先に作る症状ページ
内科で新患を増やしたい 咳が続く・胸やけ・だるさが続く
皮膚科で新患を増やしたい じんましん・湿疹がかゆい・ニキビが治らない
整形外科で新患を増やしたい 腰が痛い・膝が痛い・首から肩がこる
花粉症や感染症の外来を伸ばしたい 流行の時期に増える症状(鼻水が止まらない・発熱)
疾患ページがまだ無い 症状ページは待ち、先に疾患ページを作る

最後の行が、作らない判断の目安です。症状ページの出口は疾患ページなので、送り先が無いうちは読者が行き止まります。

公開から検索に出るまでには時間がかかります。当社は自社3サイトの372本を集計しました(2026年6月23日〜9月20日・Search Console の実測)。検索結果に1回以上出た記事は、公開0〜13日で58.9%、28〜41日で96.2%でした。季節の症状は、山の2か月前を公開の目安にしてください。

何でも診ると書くなど医科で起きる3つの失敗

医科の症状ページの失敗は、何でも診ると書く・疾患ページと同じ文を載せる・監修者と更新日が無い、の3つです。

クリニックの症状ページのNGとOKの比較
症状ページのNGとOK

どれも、ページを増やすことを目的にすると起きます。起きたこと・原因・避け方の順に見てください。

失敗1: どんな症状も当院で診ると書く。頭痛のページに脳の病気の説明まで並べると、読者は当院で診てもらえると受け取ります。原因は、検索語の数だけページを広げることです。診る原因を絞り、それ以外は他の科や救急へ線を引いてください。

失敗2: 疾患ページと同じ文を症状ページに載せる。「咳が続く」と「咳喘息」のページに同じ説明が並ぶと、自院のページどうしで検索順位を奪い合います。原因は、症状ページに病気の解説まで書くことです。症状ページは受診の目安まで、病気の解説は疾患ページへ、と役割を分けてください。

失敗3: 監修した医師の名前と更新日が無い。症状の情報は健康に関わるため、誰がいつ確かめたかが見えないページは信頼されにくくなります。原因は、Web担当者だけで作って公開することです。ページの冒頭か末尾に、監修した医師名と最終更新日を置いてください。

医院のホームページは、医療法上の広告規制の対象です。厚生労働省の医療広告等ガイドラインは、治療の効果に関する体験談や、比較して優良と見せる表現を禁じています。症状ページに「必ず治る」「地域No.1」を書かない点は、他のページと同じです。禁止表現は医療広告ガイドラインの禁止6表現で解説しています。

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院内で作るか、3層の設計から頼むかの分かれ目

診療科が1つで作る症状が5つ以下なら院内で作り、複数科にまたがるか効果まで測りたいなら外部に頼む、が目安です。

医院の状況 向いている進め方
診療科が1つ・作る症状が5つ以下 5項目の型で院内で作り、院長が確認する
複数の科を標榜し、症状が科をまたぐ 症状・疾患・診療科の3層の設計から頼む
表現が広告規制に触れるか迷う 表現の確認だけを頼む
検索とAI検索での見え方まで測りたい ページ作成と計測をまとめて頼む

頼むのを待ったほうがよいのは、標榜する診療科を見直している時期です。科が変わると、症状ページの「診る範囲」をすべて書き直すことになります。

作ったページは、検索の1ページ目に届くまで読まれません。当サイトの実測では、「クリニック seo コンサル」は平均24.5位で30回表示されました(自社サイトのSearch Console・直近28日・2026年10月時点)。1ページ目に届くまでは、クリックがほとんど発生していません。

当社が自社3サイトの表示7,015回を集計したクリック率も、1〜3位で6.28%、11〜20位では0.09%でした(2026年6月23日〜9月20日)。症状ページは作って終わりにせず、順位を見ながら見出しと1文目を直していきます。

当社は自社サイトをAIO対策の実験場にしており、引用状況を日次で計測しています。計測から見えているのは、見出しの問いと直後の答えが1対1で並ぶページほど、AI検索の答えに使われやすいことです。クリニック全体のAI検索対策はAIO対策をクリニックで始める5ステップにまとめています。

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よくある質問

症状ページの下書きは院内でどこまで作れますか?

症状名・診る範囲・受診の目安までは院内で作れます。受付の電話でよく聞く言い方が最良の材料になります。

症状ページの作成を頼むと何をしてもらえますか?

当社では、作る症状の選定、見出しと文章の作成、検索とAI検索での見え方の計測までを行います。

症状ページを公開してから検索に出るまでどのくらいかかりますか?

当社の集計では、公開から28〜41日で96.2%の記事が検索結果に1回以上出ました。1か月は様子を見てください。

症状ページを作らないほうがよいのはどんなクリニックですか?

診療科の紹介と疾患の説明ページが無い医院です。症状ページの送り先が無いので、先にそちらを整えてください。

他の科の症状まで書くと集患は増えますか?

診ない症状のページは来院につながらず、評価も分散します。診る範囲の症状に絞り、他科へは線を引いて案内します。

症状ページに院長の名前を載せたほうがよいですか?

載せてください。監修した医師の名前と更新日があると、読者もAI検索も情報の確かさを判断しやすくなります。

ホームページ全体に欠けている項目はクリニックのホームページに必須の項目で確かめられます。AIの回答に自院が載る準備ができているかは、AI検索の対応度チェック(無料・30秒)で見られます。

まとめ: 症状ページは診る範囲に線を引き、疾患ページへ送る

クリニックの症状ページは、患者の言い方を題名にして、1つの症状に1ページを作ります。症状名・診る範囲・救急のサイン・受診の目安・当院での検査と出口の5項目を、この順で書いてください。

病気の解説は疾患ページに任せ、症状ページは受診の判断までにとどめます。監修した医師の名前と更新日も忘れずに置きます。

今日できる一歩は、受付で先月受けた電話のうち、「何科に行けばいいか」を聞かれた症状を3つ書き出すことです。いちばん多かった症状が、最初の症状ページの題名になります。

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